1 転送する前に確認しておく事
・ Diskサーバがマウントされているかいないか
Diskサーバがマウントされていないと転送を行うことはできません。
マウントの状態は以下のコマンドで確認できます。
[root@dr-ut21 /]# df -k |
Diskサーバのマウント名が表示されるか確認を行ってください。
[root@dr-ut21 /]# df -k
|
ここでは、一番下の「/dev/md0」と「/dev/md2」がDiskサーバです。
また、以下のコマンドを転送元・先のnfsサーバで実行するとマウントの確認とdata reservoirの状態確認ができます。
[root@dr-ut21 /]# dsdetach -a [root@dr-ut21 /]# dsattach -a |
・ ネットワークがきちんと接続できているか
ネットワークが通じているか確認をしておきましょう。
まずはpingを配下のDiskサーバ・転送先nfsサーバ、Diskサーバに打って確認します。
[root@dr-ut21 /]# ping 133.11.167.153 |
(IPアドレスは調べたいサーバのIPアドレスを指定してください)
このコマンドを実行すると、下記のようなログが流れます。
[root@dr-ut21 /]# ping 133.11.167.153 |
pingは止めない限りログが流れ続けます。
ctrl+cを押して、プログラムをストップしてください。
[root@dr-ut21 /]# ping 133.11.167.153 |
上記のようなエラーが表示された際にはネットワークに障害が起きているか、IPアドレスが間違っています。
確認をした上でもう一度トライしてください。
2 転送時の注意点
・途中でいきなり止める事はできません。
data reservoirはctrl+cでいきなり止まりません。
きちんと終了処理を行うことが必要で、それなりの時間を要します。
転送処理を行う前に確認を行っておきましょう。
・転送先のパーティションはクリアされます。
data reservoirでは、転送先のパーティションの中身はすべてクリアされます。
転送先のパーティションに必要なデータが入っている場合は必ず移動させてください。
・転送元のパーティションを埋めて転送しましょう。
ファイルを転送する際、転送元パーティションに空き領域があると転送速度が低下します。
パーティションの使用率が100%に近いほど転送速度が速くなります。
一例ですが、パーティション使用率10%だと790Mbps、使用率が90%以上だと920Mbpsくらいの転送速度がでます。
普段転送するファイルにパーティションサイズをあわせてみるのもよいかもしれません。
3 転送をしてみよう
まず転送をする前に、必ず以下のコマンドを実施しておきましょう。
[root@dr-ut21 /]# dsdetach -a [root@dr-ut21 /]# dsattach -a |
上の項目でも書きましたが、Diskサーバの接続を確認できます。
転送をする前にデータを転送元パーティションに移動させましょう。
テスト転送で、転送させる手ごろなデータがない場合は、以下のコマンドを実行してデータを生成します。
[root@dr-ut21 /]# dd if=/dev/zero of=(ファイル名) bs=1024k count=(作りたい容量[MB]) |
例えば、10GBのデータを/mnt/disk11/10Gfileという名前で生成したい場合は以下のように入力します。
[root@dr-ut21 /]# dd if=/dev/zero of=/mnt/disk11/10Gfile bs=1024k count=10000 |
データの生成には転送時間よりも長い時間が掛かります。時間に余裕を持っておきましょう。
データの用意ができたら、実際に転送をしてみましょう。
まず、ルートディレクトリを転送元ディレクトリ以外の場所へ移動します。
[root@dr-ut21 /mnt/disk12]# cd / |
転送元ディレクトリにいると、転送処理が上手く行えない場合があります。
次に転送を行います。以下のコマンドを入力してください。
[root@dr-ut21 /]# rawcp -p (転送元ファイルシステム) (転送先ホスト名orIPアドレス):(転送先ファイルシステム) |
「-p」は画面に進行状況をしめすグラフを表示させるオプションです。
/mnt/disk12をdr-ut26の/mnt/disk12に転送する場合、以下なコマンドを入力します。
[root@dr-ut21 /]# rawcp -p /mnt/disk12 dr-ut26:/mnt/disk12 |
転送元・先ファイルシステムを指定する際、一番最後に「/」を付けないようにしてください。
/mnt/disk12を指定する場合、/mnt/disk12/と指定してしまうと、ファイルシステムが見つかりませんというエラーが出てしまいます。
転送を開始すると以下の様なログが流れます。
[root@dr-ut21 /]# rawcp -p /mnt/disk12 dr-ut26:/mnt/disk12 |
最後にデータ転送速度が表示されたら、データ転送は終了です。
4 うまく転送できないとき
・まずdisk serverの接続を確認してみましょう。
[root@dr-ut21 /]# dsdetach -a [root@dr-ut21 /]# dsattach -a |
と入力し、disk serverを再接続してみます。
この時に何らかのエラーが出た場合は以下のコマンドを入力してみます。
[root@dr-ut21 /]# dsdetach -a [root@dr-ut21 /]# dsattach -ar |
これは、disk serverを一旦切り離し、RAIDを構成しないで接続を行っています。
ここでエラーが出る場合は、設定の見直しを行ってください。
通常ならば以下の様なログが複数流れるはずです。
[root@dr-ut21 /]# dsattach -ar .. .. .. iscsi[15258] iscsi user command : command accept. "iscsi add-device 133.11.167.157:9000" Vendor: FPL SPCL Model FJ program lab Rev: 0100 Type: Direct-Access ANSI SCSI revision: 03 Attached scsi disk sdi at scsi2, channel 0,id 3,lun 0 SCSI device sdi: 1146617857 512-byte sectors (-512442 MB) |
最後に容量が-512442MBと出ていますが、異常ではありません。
次にファイルシステムを再構築します。以下のコマンドを入力してください。
[root@dr-ut21 /]# dsdetach -a [root@dr-ut21 /]# dsattach -am |
ここでエラーが出た場合は、パーティションサイズがおかしい場合があります。
マニュアルを確認の上、もう一度やり直してください。
1TB以上のパーティションを作成すると、エラーが出る場合があります。
ファイルシステムの再構築には以下のコマンドを入力します。
[root@dr-ut21 /]# mkfs -t ext2 /dev/mdx(mdxにはその構成のmdデバイス名) |
ここでもエラーが出なかった場合は、もう一度マウントしてみます。
[root@dr-ut21 /]# dsdetach -a [root@dr-ut21 /]# dsattach -a |
また、転送途中で止まってしまう場合、diskサーバが不安定な場合があります。
転送中にdiskサーバの様子を見てください。
BIOSのアップデートなどを行ってみてください。