data reservoir 転送手順マニュアル

1 転送する前に確認しておく事

・ Diskサーバがマウントされているかいないか

Diskサーバがマウントされていないと転送を行うことはできません。
マウントの状態は以下のコマンドで確認できます。

[root@dr-ut21 /]# df -k

Diskサーバのマウント名が表示されるか確認を行ってください。

[root@dr-ut21 /]# df -k
Filesystem 1k-blocks Used Available Use% Mounted on
/dev/sda3 10080520 1087092 8481360 12% /
/dev/sda1 202220 29555 162225 16% /boot
/dev/sda5 3020140 32828 2833896 2% /home
none 1029664 0 1029664 0% /dev/shm
/dev/sda7 194443 4606 179798 3% /tmp
/dev/sda8 24802524 4023164 19519464 18% /usr
/dev/sda2 30233928 1341904 27356212 5% /var
/dev/md0 1128612824 102500124 968782500 10% /mnt/disk11
/dev/md2 100807088 97375120 0 100% /mnt/disk12

ここでは、一番下の「/dev/md0」と「/dev/md2」がDiskサーバです。

また、以下のコマンドを転送元・先のnfsサーバで実行するとマウントの確認とdata reservoirの状態確認ができます。

[root@dr-ut21 /]# dsdetach -a
[root@dr-ut21 /]# dsattach -a

・ ネットワークがきちんと接続できているか

ネットワークが通じているか確認をしておきましょう。
まずはpingを配下のDiskサーバ・転送先nfsサーバ、Diskサーバに打って確認します。

[root@dr-ut21 /]# ping 133.11.167.153


(IPアドレスは調べたいサーバのIPアドレスを指定してください)

このコマンドを実行すると、下記のようなログが流れます。

[root@dr-ut21 /]# ping 133.11.167.153
PING 133.11.167.153 (133.11.167.153) from 133.11.167.158 : 56(84)bytes of data
64 bytes from 133.11.167.153: icmp_seq=1 ttl=64 time=15.6ms
64 bytes from 133.11.167.153: icmp_seq=2 ttl=64 time=4.26ms
64 bytes from 133.11.167.153: icmp_seq=3 ttl=64 time=4.14ms
..
..

pingは止めない限りログが流れ続けます。
ctrl+cを押して、プログラムをストップしてください。

[root@dr-ut21 /]# ping 133.11.167.153
From 133.11.167.153 icmp_seq=1 request time out
From 133.11.167.153 icmp_seq=2 request time out 

[root@dr-ut21 /]# ping 133.11.167.153
From 133.11.167.153 icmp_seq=1 Destination Host Unreachable
From 133.11.167.153 icmp_seq=2 Destination Host Unreachable

上記のようなエラーが表示された際にはネットワークに障害が起きているか、IPアドレスが間違っています。
確認をした上でもう一度トライしてください。

2 転送時の注意点

・途中でいきなり止める事はできません。

data reservoirはctrl+cでいきなり止まりません。
きちんと終了処理を行うことが必要で、それなりの時間を要します。
転送処理を行う前に確認を行っておきましょう。

・転送先のパーティションはクリアされます。

data reservoirでは、転送先のパーティションの中身はすべてクリアされます。
転送先のパーティションに必要なデータが入っている場合は必ず移動させてください。

・転送元のパーティションを埋めて転送しましょう。

ファイルを転送する際、転送元パーティションに空き領域があると転送速度が低下します。
パーティションの使用率が100%に近いほど転送速度が速くなります。
一例ですが、パーティション使用率10%だと790Mbps、使用率が90%以上だと920Mbpsくらいの転送速度がでます。
普段転送するファイルにパーティションサイズをあわせてみるのもよいかもしれません。

3 転送をしてみよう

まず転送をする前に、必ず以下のコマンドを実施しておきましょう。

[root@dr-ut21 /]# dsdetach -a
[root@dr-ut21 /]# dsattach -a

上の項目でも書きましたが、Diskサーバの接続を確認できます。

転送をする前にデータを転送元パーティションに移動させましょう。
テスト転送で、転送させる手ごろなデータがない場合は、以下のコマンドを実行してデータを生成します。

[root@dr-ut21 /]# dd if=/dev/zero of=(ファイル名) bs=1024k count=(作りたい容量[MB])

例えば、10GBのデータを/mnt/disk11/10Gfileという名前で生成したい場合は以下のように入力します。

[root@dr-ut21 /]# dd if=/dev/zero of=/mnt/disk11/10Gfile bs=1024k count=10000


データの生成には転送時間よりも長い時間が掛かります。時間に余裕を持っておきましょう。

データの用意ができたら、実際に転送をしてみましょう。

まず、ルートディレクトリを転送元ディレクトリ以外の場所へ移動します。

[root@dr-ut21 /mnt/disk12]# cd /

転送元ディレクトリにいると、転送処理が上手く行えない場合があります。

次に転送を行います。以下のコマンドを入力してください。

[root@dr-ut21 /]# rawcp -p (転送元ファイルシステム) (転送先ホスト名orIPアドレス):(転送先ファイルシステム)

「-p」は画面に進行状況をしめすグラフを表示させるオプションです。
/mnt/disk12をdr-ut26の/mnt/disk12に転送する場合、以下なコマンドを入力します。

[root@dr-ut21 /]# rawcp -p /mnt/disk12 dr-ut26:/mnt/disk12

転送元・先ファイルシステムを指定する際、一番最後に「/」を付けないようにしてください。
/mnt/disk12を指定する場合、/mnt/disk12/と指定してしまうと、ファイルシステムが見つかりませんというエラーが出てしまいます。

転送を開始すると以下の様なログが流れます。

[root@dr-ut21 /]# rawcp -p /mnt/disk12 dr-ut26:/mnt/disk12
rawcp command start. 16:52:50
Filesystem search start. 16:52:57
Filesystem search end. 16:53:01
Total 99.71GB / (24343900Blocks)
Transfer | ######################################## | 100%
raid0: looking at sdf2
..
.. (RAID再構築のログ)
..
rawcp command end. 17:07:29
Total transfer rate : 113.44MB / sec [907.510Mbps]
Network transfer rate : 115.01MB / sec [920.070Mbps]

最後にデータ転送速度が表示されたら、データ転送は終了です。

4 うまく転送できないとき

・まずdisk serverの接続を確認してみましょう。

[root@dr-ut21 /]# dsdetach -a
[root@dr-ut21 /]# dsattach -a

と入力し、disk serverを再接続してみます。
この時に何らかのエラーが出た場合は以下のコマンドを入力してみます。

[root@dr-ut21 /]# dsdetach -a
[root@dr-ut21 /]# dsattach -ar

これは、disk serverを一旦切り離し、RAIDを構成しないで接続を行っています。
ここでエラーが出る場合は、設定の見直しを行ってください。
通常ならば以下の様なログが複数流れるはずです。

[root@dr-ut21 /]# dsattach -ar
..
..
..
iscsi[15258] iscsi user command : command accept. "iscsi add-device 133.11.167.157:9000"
Vendor: FPL SPCL Model FJ program lab Rev: 0100
Type: Direct-Access ANSI SCSI revision: 03
Attached scsi disk sdi at scsi2, channel 0,id 3,lun 0
SCSI device sdi: 1146617857 512-byte sectors (-512442 MB)

最後に容量が-512442MBと出ていますが、異常ではありません。
次にファイルシステムを再構築します。以下のコマンドを入力してください。

[root@dr-ut21 /]# dsdetach -a
[root@dr-ut21 /]# dsattach -am

ここでエラーが出た場合は、パーティションサイズがおかしい場合があります。
マニュアルを確認の上、もう一度やり直してください。
1TB以上のパーティションを作成すると、エラーが出る場合があります。
ファイルシステムの再構築には以下のコマンドを入力します。

[root@dr-ut21 /]# mkfs -t ext2 /dev/mdx(mdxにはその構成のmdデバイス名)

ここでもエラーが出なかった場合は、もう一度マウントしてみます。

[root@dr-ut21 /]# dsdetach -a
[root@dr-ut21 /]# dsattach -a

また、転送途中で止まってしまう場合、diskサーバが不安定な場合があります。
転送中にdiskサーバの様子を見てください。
BIOSのアップデートなどを行ってみてください。